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オンライン申請による登録免許税額の軽減措置に関する改正

 「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が平成23年6月30日に施行されたことにより、オンラインによって登記の申請を行う場合の登録免許税額の軽減措置が平成25年3月31日まで延長されるとともに、その軽減額の上限が変更されました(従来は最高5,000円)。

 平成23年7月1日から平成24年3月31日までの間に受ける登記の申請については、登録免許税法その他登録免許税に関する法令の規定により計算した金額に100分の10を乗じた金額(その金額が4,000円を超える場合には、4,000円が上限)、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に受ける登記の申請については登録免許税法その他登録免許税に関する法令の規定により計算した金額に100分の10を乗じた金額(その金額が3,000円を超える場合には、3,000円が上限)が軽減されます。

 詳しくは法務省ホームページをご確認ください。

定時株主総会の開催時期について

 このたびは平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の犠牲になられた方々とその遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げるとともに、被害を受けた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 被災地の一日も早い復興と避難等によって不自由な生活を送られている方々が一日も早く日常の生活を取り戻せるようお祈りするとともに、微力ながらもお役立ちできるよう支援等を続けていきたいと考えております。


 株式会社において、「定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。」と規定されており(会社法第296条第1項)、また、株式会社の定款には、一般的に「当会社の定時株主総会は、毎事業年度末日の翌日から3ヵ月以内に招集する。」などと定められています。そして、国の会計年度と同じく「毎年4月1日から翌年3月31日まで」を事業年度に設定している多くの株式会社においては、5月もしくは6月に定時株主総会を開催するのが通例です。
 しかし、今回の東北地方太平洋沖地震の影響によって、通例どおり定時株主総会を開催することが困難な状況にある株式会社もあると考えられることから、法務省では、定時株主総会の開催時期についての見解を公表しました。

 上記の会社法第296条第1項の規定は、事業年度の終了後3ヵ月以内に必ず定時株主総会を招集しなければならないと定めているものではなく、今回のように実質的に開催が困難な状況が生じているような場合には、その状況が解消され、開催が可能となった時点で定時株主総会を開催することとすれば、当該規定に違反することにはならないと考えられるとのことです。
 また、上記のような特定の時期に定時株主総会を招集すべき旨の定款の定めについても、通常、天災等のような極めて特殊な事情によりその時期に定時株主総会を開催することができないような状況が生じた場合にまで、形式的・画一的に適用しなければならないという趣旨ではないと考えるのが、合理的な意思解釈であるとのことです。

 つまり、東北地方太平洋沖地震の影響によって、定款所定の時期に定時株主総会を開催することができない株式会社においては、会社法の規定に従って、事業年度の終了後一定の時期に定時株主総会を開催すれば足り、その時期が定款所定の時期よりも後になったとしても、定款違反にはならないと解されます。

 なお、株式会社の定款には、一般的に「当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載又は記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができる株主とする。」などと議決権行使に関する基準日が定められています。しかし、議決権行使に関する基準日を定める場合、基準日株主が行使することができる権利は、当該基準日から3ヵ月以内に行使するものに限られていますので(会社法第124条第2項)、東北地方太平洋沖地震の影響によって、定款所定の基準日から3ヵ月経過後に定時株主総会が開催されるような場合には、取締役会などにおいて議決権行使に関する基準日を定め、当該基準日の2週間前までに、当該基準日及び基準日株主が行使することができる権利の内容を公告する必要があります(会社法第124条第3項本文)。


詳しくは法務省ホームページ及びをご確認ください。

登記手数料の一部改定について

 平成23年4月1日(金)から、登記手数料の一部改定が予定されています。
 主な改定は以下のとおりです。

  1. 登記事項証明書(不動産/商業・法人)
    (1)窓口交付            1,000円 → 700円
    (2)オンライン請求・送付     700円 → 570円
    (3)オンライン請求・窓口交付  550円(新設)
     ※ 1通の枚数が50枚を超える場合には、その超える枚数50枚までごとに100円が加算されます。

  2. 印鑑証明書
    (1)窓口交付            500円(変更なし)
    (2)オンライン請求・送付     500円 → 460円
    (3)オンライン請求・窓口交付  440円(新設)

 また、同じく平成23年4月1日(金)から、登記事項証明書の交付請求等に係る登記手数料は、登記印紙に替えて、収入印紙で納付することになります。
 ただし、登記手数料の納付について、引き続き登記印紙を使用することができ、また、収入印紙と登記印紙を組み合わせて使用することも可能とのことですが、上記のとおり登記手数料の改定が予定されていることから、現在の登記印紙の主要券種である1,000円券を単独で使用しにくくなるため、なるべく早く使用してしまうのが望ましいようです。

詳しくは法務省ホームページ及びをご確認ください。

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ご確認いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

司法書士 松田 敏明

不動産登記及び商業・法人登記等のオンラインによる申請方法が変わります

 平成23年2月14日(月)午前8時30分から、次に掲げる4つの手続きを対象とする登記・供託オンライン申請システム(以下「新システム」)の運用が開始される予定です。
(1)不動産登記手続
(2)商業・法人登記手続
(3)動産譲渡登記手続
(4)債権譲渡登記手続
 新システムは、信頼性、処理性能の向上及び拡張性といった非機能要件を確保したシステムとするとともに、登記手続固有の大量・迅速性、双方性に配慮したシステムとすることを目的としているそうです。
 さらに、平成23年度中には、(5)供託手続、(6)成年後見登記手続、(7)電子公証手続の手続きの運用が開始され、合計7つの手続きが新システムで取り扱われることになる予定です。

 なお、新システムへの移行に際し、対応等が必要となる主な事項は以下のとおりです。

  1. 電子公文書の取得
     新システム移行後は現行システムから、未取得の電子公文書を取得することができなくなりますが、平成23年2月14日(月)以降も、一定期間は、現行システムから電子公文書を取得することは可能ということです。

  2. 申請者情報の登録
     あらためて新システムにおいて申請者情報の登録が必要となり、新システムのホームページが開設される平成23年1月17日(月)から登録可能とのことです。

  3. 申請データの作成(準備)
     登記申請書作成支援ソフトウェア等で作成した申請データ及び旧申請人プログラムで作成した申請データを利用して新システムへ申請することはできないので、平成23年1月17日(月)にホームページにおいて配布される申請用総合ソフトを使って申請データを作成し、新システムへの申請の準備を進めることになるようです。

  4. 登記識別情報の再暗号化・表示
     新システムでは、登記識別情報の暗号化方式を、電子政府推奨のよりセキュリティの高い方式へと変更することに伴い、現行システムで取得した登記識別情報を申請用総合ソフトで表示することができなくなり、現行システムで取得した登記識別情報を表示するためには、平成23年1月17日(月)から、新システムのホームページにおいて提供される登記識別情報表示ツールによって再暗号化を行うことで、登記識別情報を表示することになるようです。

  5. システム切替え前後の申請の取扱い
     システム切替えまでに処理が完了しなかった現行システムでの申請の補正又は取下げ及び電子公文書の取得は、書面によって申請した場合と同様に処理されることになりますが、平成23年2月14日(月)午前8時30分から同日午後5時15分までの間に、新システムへオンライン処理申出様式を送信することにより、オンラインによる補正又は取下げ及び電子公文書の取得が可能になるとのことです。

詳しくは法務省ホームページをご確認ください。

登記識別情報通知書のシールのはがれ方が不完全である場合の取扱い

 登記識別情報を記載した書面(以下「登記識別情報通知書」)の目隠しシール(登記識別情報を記載した部分が見えないように貼付してあるシール)がはがれにくいということで、用紙のデザイン変更がなされましたが、従来発行されたもので目隠しシールの一部のはがれ方が不完全であることによって、登記識別情報の一部を読み取ることができないという状況が起きています。
 そのようなおそれのある登記識別情報通知書については、当該登記識別情報通知書を添付して、登記識別情報の再作成を申し出ることができます。

  1. 再作成の対象となる登記識別情報
     平成21年10月まで使用されていた旧デザインの用紙により作成された登記識別情報通知書に限られます。

  2. 再作成の申出人
     当該登記識別情報に係る登記の登記名義人又はその相続人その他の一般承継人(以下「申出人」)に限られます。

  3. 再作成の申出方法
     登記識別情報の再作成の申出は、次のいずれかの方法により行うこととなり、オンラインによる再作成の申出をすることはできません。
    (1)申出人又はその代理人が登記所の窓口において申出を行う方法
    (2)申出人又はその代理人が送付(郵送)の方法により登記所に対して申出を行う方法
    ※ いずれも当該登記識別情報通知書を発行した登記所に限られます。
  4. 再作成の申出に必要な書面
    (1)申出書
    (2)登記識別情報通知書(原本)
     シールのはがれ方が不完全であることによって登記識別情報が読み取れなくなった登記識別情報通知書の原本が必要となります。
    (3)本人確認資料
     本人確認のための資料として、申出人又はその代理人の運転免許証・パスポート等の身分証明書を提示し、もしくは当該身分証明書の写しを提出します。
    (4)代表者の資格を証する書面
     申出人又はその代理人が法人である場合には、作成後3ヵ月以内の当該代表者の資格を証する書面(登記事項証明書等)を添付します。
    (5)変更又は更正を証する書面
     申出人の氏名・名称又は住所が再作成の申出がされた登記識別情報に係る登記の登記名義人の氏名・名称又は住所と相違している場合には、その変更又は錯誤もしくは遺漏があったことを証する市町村長・登記官その他の公務員が職務上作成した書面(住民票の写し・登記事項証明書等)を添付します。
    (6)相続その他の一般承継があったことを証する書面
     登記名義人の相続人その他の一般承継人が申出をする場合には、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長・登記官その他の公務員が作成した書面(公務員が職務上作成した書面がないときは、これに代わるべき書面)を添付します。
    (7)代理人の権限を証する書面
     代理人が申出をする場合には、登記識別情報の再作成に係る代理権限を証する委任状等を添付します。
  5. 再作成された登記識別情報の通知方法
     再作成された登記識別情報の通知は、次のいずれかの方法により行われます。
    (1)申出人又はその代理人が登記識別情報通知書を登記所の窓口において交付を受ける方法
    (2)申出人又はその代理人が登記識別情報通知書を送付(郵送)の方法により交付を受ける方法
     なお、代理人が登記識別情報通知書の交付を受ける場合には、申出のためとは別に特別の委任を受ける必要があります。

 詳しくは法務局ホームページをご確認ください。

会社更生法に基づく更生手続とは

 今回はJALが1月19日付で申請を行った「会社更生法に基づく更生手続」について簡単に説明してみます。

    【概要】

     会社更生法(以下「法」)は、『窮境にある株式会社について、更生計画の策定及びその遂行に関する手続を定めること等により、債権者、株主その他の利害関係人の利害を適切に調整し、もって当該株式会社の事業の維持更生を図ること』を目的としています(法1条)。

     法において、「更生手続」とは、株式会社について、法に基づいて更生計画を定め、更生計画が定められた場合にこれを遂行する手続きのことで、「更生計画」とは、更生手続開始時に存する債権などを有する更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部を変更する条項その他の事項を定めた計画をいいます(法2条)。

    【手続き】

    1. 更生手続開始の申立て
       株式会社は、①破産手続開始の原因となる事実が生じるおそれがある場合又は②弁済期にある債務を弁済することでその事業の継続に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、更生手続開始の申立てをすることができます(法17条)。
      → JALのケースでは、1月19日付で東京地方裁判所に対し、更生手続開始の申立てがなされました。
    2. 他の手続の中止命令等
       裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合には、必要に応じて、利害関係人からの申立て又は職権により、更生手続開始の決定までの間、対象会社の破産手続・再生手続・特別清算手続、更生債権等に基づく強制執行・仮差押え・仮処分・担保権の実行等の手続きの中止を命じることができます(法24条)。
      → JALのケースでは、更生手続開始の申立てと同日付で、開始決定がされているので、中止命令は出されていません。
    3. 更生手続開始の決定
       裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合、1. ①又は②の事実があると認めるときは、一定の場合を除き、更生手続開始の決定をし(法41条)、それと同時に、管財人・更生債権等の届出期間・更生債権等の調査期間を定める必要があります(法42条)。
      → JALのケースでは、更生手続開始の申立てがなされた1月19日付で、開始決定がされ、管財人として、株式会社企業再生支援機構と弁護士の片山英二氏が選任されています。また、法人管財人である企業再生支援機構は、企業再生支援委員長で弁護士の瀬戸英雄氏と代表取締役専務の中村彰利氏を管財人の職務を行うべき者(職務執行者)として指名しています。
    4. 対象会社の更生手続中の禁止事項
       対象会社は、更生手続開始後その終了までの間、更生計画の定めに従わなければ、①株式の消却・併合・分割、募集株式・募集新株予約権・募集社債を引き受ける者の募集、②資本金・準備金の額の減少、③剰余金の配当、④解散・継続、⑤組織変更・合併・会社分割・株式交換・株式移転・事業譲渡等を行うことができず(法45条・46条)、これらの行為をする場合には、更生計画において一定事項を定める必要があります(法167条2項・174条~183条)。
      → JALのケースでは、今後100%減資を行い、企業再生支援機構が出資を行うことが想定されていますので、資本金の額の減少・募集株式を引き受ける者の募集などの事項について、更生計画で定めていくことになるのでしょう。
    5. 更生計画案の提出
       管財人は、更生債権等の届出期間の満了後、裁判所の定める期間内(更生手続開始の決定の日から1年以内)に、更生計画案を作成して裁判所に提出する必要がありますが、対象会社・届出をした更生債権者等・株主が、裁判所の定める期間内(同上)に、更生計画案を作成して裁判所に提出することもできます(法184条)。
      → JALのケースでは、以下のとおりそれぞれの期間が定められています。
       ① 更生債権等の届出期間 : 3月19日まで
       ② 更生債権等の調査期間 : 5月10日から5月24日まで
       ③ 管財人が更生計画案を提出すべき期間 : 6月30日まで
       ④ JALなどが更生計画案を提出することができる期間 : 5月31日まで

オンライン申請による登録免許税額の軽減措置に関する改正

 オンライン申請システムを利用して一定の事項に関する登記の申請を行った場合に、登録免許税額の軽減が認められておりますが、その期限が平成23年3月31日まで延長されることとなりました(租税特別措置法第84条の5)。

 また、それに併せて、平成22年1月4日(月)以降、オンラインにより建物の所有権保存登記を申請する際に、登録免許税額の軽減措置を受けるためには、当該建物の表題登記についてもオンラインで申請されている必要があることとなりました。

 建物の所有権保存登記を申請する場合には、当該建物の表題登記が完了したときに通知された登記完了証(PDFファイルで作成されているもの)の電子データを添付するか、登記完了証を印刷した書面を他の添付書面とともに提出することが協力事項とされております。なお、登記完了証の添付等がなされないことのみをもって、所有権保存登記の申請が却下されることはありません。

 詳しくは法務局ホームページをご確認ください。

事業再生ADRとは

 今回は、JALが11月13日付で申請し、受理された「事業再生ADR」についてまとめてみます。

    【概要】

     ADR (Alternative Dispute Resolution)とは、「裁判外紛争解決手続」の略称で、訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続きをいい、事業再生ADRは、その趣旨に沿った形で、事業再生を円滑に進めるべく平成19年の「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」(以下「法」)の改正により創設された制度です。

     この事業再生ADRの制度においては、経済産業大臣の認定を受けた中立的な立場の第三者機関(特定認証紛争解決事業者)が事業再生手続に関与することにより、専門機関の監督による信頼性・公正さが保たれる、債権放棄による損失の無税償却が認められるという法的整理(民事再生・会社更生など)のメリットと、金融機関等との話し合いで解決策を探りながら、事業を継続できるという私的整理(債権放棄など)のメリットを融合した形で事業再生を円滑に進めることができます。

    【手続き】
    1. 一時停止の通知
       債務者は、特定認証紛争解決事業者と連名で、金融機関等の対象債権者に対して債権の回収、担保の設定、再生手続開始・更生手続開始等の申立てをしないように通知を行います。
    2. 第1回債権者会議
       債務者が作成する事業再生計画案の概要の説明のために債権者会議が開催され、手続実施者を選任します。
    3. 第2回・第3回債権者会議
       手続実施者による事業再生計画案の調査報告等に基づき、債権者会議において事業再生計画案の協議が行われ、その後の事業再生計画案の決議によって債権者全員の書面による合意が得られれば、私的整理が成立し、事業再生計画の実行段階に入ります。
       なお、一部の債権者の同意が得られない場合には、特定調停手続もしくは法的整理手続に移行することになります。

    【つなぎ融資(DIPファイナンス)】

     DIP(Debtor in Possession)とは、「占有を継続する債務者」を意味し、民事再生手続等の開始後の企業に対し、旧経営陣に引き続き経営を担当させつつ、当面の運転資金等を一時的に融資することで、事業再生ADRの手続きにおいては、事業再生を行おうとする事業者が特定認証紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間に受けるつなぎ融資(DIPファイナンス)に対し、独立行政法人中小企業基盤整備機構が債務保証を行います(法50条)。

     また、事業再生を図ろうとする事業者は、特定認証紛争解決事業者に対し、特定認証紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間における資金の借入れが、①当該借入れが事業の継続に不可欠であるとする一定の基準を満たしていること、②当該借入れに係る債権の弁済を、債権者が以前から有している他の債権の弁済よりも優先的に取り扱うことにつき当該債権者全員の同意を得ていることについて確認を求めることができる(法52条)。

     そして、裁判所は、その確認を受けた事業者につき再生手続開始又は更生手続開始の決定があった場合において、当該借入れに係る債権と他の債権との間に権利の変更の内容に差を設ける再生(更正)計画案が提出され、又は可決されたときは、当該確認がなされていることを考慮した上で、差を設けても衡平を害しないかの判断をすることになります(法53条・54条)。

 詳細な手続きの流れにつきましては、管轄の経済産業省もしくは認証紛争解決事業者として経済産業大臣から第1号の認定を受けた事業再生実務家協会が提供する資料等をご参照ください。


経済産業省HP : http://www.meti.go.jp/policy/business_infra/index.html
事業再生実務家協会HP : http://www.turnaround.jp/adr/index.html

企業再生支援機構とは②

    【業務の範囲】

     企業再生支援機構(以下、「機構」)は、株式会社企業再生支援機構法(以下、「法」)において、次の業務を行うものとされています(法22条)。

    1. 対象事業者(以下参照)に対して金融機関等が有する債権の買取り又は対象事業者に対して金融機関等が有する貸付債権の信託の引受け(以下「債権買取り等」)

    2. 対象事業者に対する次に掲げる業務
      ① 資金の貸付け(社債の引受けを含む)
      ② 金融機関等からの資金の借入れに係る債務の保証
      ③ 出資(対象事業者の株式の取得を含む)
      ④ 事業の再生に関する専門家の派遣
      ⑤ 事業活動に関する必要な助言

    3. 債権買取り等に係る債権の管理及び譲渡その他の処分(債権者としての権利の行使に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を含む)

    4. 出資に係る株式又は持分の譲渡その他の処分

    5. 前各号に掲げる業務に関連して必要な交渉及び調査として行う法律事務

    6. 前各号に掲げる業務に附帯する業務

    7. 前各号に掲げるもののほか、機構の目的を達成するために必要な業務(但し、事前に主務大臣の認可が必要)

    【業務の実施】

     まず、機構に事業再生の支援を求めようとする事業者は、事業再生計画を添付して、機構に対して再生支援の申込みをすると(法25条)、機構は、企業再生支援委員会(以下「委員会」)において、支援基準に従って支援の可否の決定を行うことになります。

     委員会が支援決定を行った場合、機構は、直ちに、その対象となった事業者(以下「対象事業者」)の債権者のうち、対象事業者の事業再生のために協力を求める必要がある金融機関等(以下「関係金融機関等」)に対し、機構が定める一定の期間(支援決定の日から3ヵ月以内;以下「買取申込み等期間」)内に、当該関係金融機関等が対象事業者に対して有するすべての債権につき、①債権の買取りの申込み、又は②事業再生計画に従って債権の管理又は処分をすることの同意をする旨の回答(以下「買取申込み等」)をするように求めます(法26条)。
     
     また、これと併せて、機構は、関係金融機関等が対象事業者に対して債権回収等をすることにより、対象事業者の事業再生が困難になると判断する場合には、すべての関係金融機関等に対し、回収等停止要請を行います(法27条)。

     そして、買取申込み等期間が満了し、又はすべての関係金融機関等から買取申込み等があった場合、機構は、速やかに、それぞれの買取申込み等ついて債権買取り等をするかの決定を一括で行います(法28条)。なお、買取申込み等期間が満了しても買取申込み等がなかったときや、債権買取り等の決定を行わなかったときなどは、支援決定が撤回されることになります(法32条)。


企業再生支援機構HP : http://www.etic-j.co.jp/index.html

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